人生を決めるのは、教育者でも大人でもない。自分の人生は自分で決める
“「過去にどんな境遇にあったとしても、きちんとやり直せる。」”
そう語るのは、本書の著者である河島大紀さん。現在は、不動産会社を経営しながら、福岡県で町議会議員を務めています。そんな著者は、窃盗や暴行などの犯罪を繰り返し、児童自立支援施設に1回、少年鑑別所に5回、中等少年院に2回、特別少年院に1回入所と、10代のほとんどを少年院で過ごしたそうです。
著者によると、多くの教育者や大人たちは、「非行少年は将来こうなる」という先入観を強く持っているとのこと。また、非行少年自身も、「失敗したくない」「自分にはできない」と理由をつけて、諦めること、行動しないことを正当化してしまいます。
しかし、行動もせずに「できない」「変えられない」と決めつけないでほしいと著者は言っています。
著者が不良の道に進んだ最初の理由は、「カッコいい」からという単純な理由だったとのこと。しかし、本格的に不良の道へと入ったのは、「先生からの暴力」と「勉強の押しつけ」。同級生のケンカに仲裁に入っただけなのに、先生は著者をケンカの当事者だと決めつけ、ボコボコに殴られてしまいます。そんな理不尽な暴力をきっかけに、著者は徹底的に先生に反抗するようになっていったそうです。
10代の終わりに収容された岡山少年院(特別少年院)で、著者の人生を変える出会いがありました。1人は法律好きで覚せい剤を注射しながら勉強していたという司法書士を目指すYくん。そして、父親とともに暴力団事務所に住み込んでいたが、そこを離れ、カレー屋を開きたいという夢を持つHくんです。それまで、「ヤクザにでもなろうか」と思っていた著者でしたが、心機一転、司法書士を目指し猛勉強を始めます。
もちろん、さんざん非行に走り、勉強したこともなければ、一般常識もない著者が順風満帆に行くわけもありません。数々の壁に阻まれ、紆余曲折しながらも、目標を追い続ける様子は、ハラハラしながらも応援したくなります。
人生をやり直したいと考えている人はもちろんですが、非行の道にのめり込んでいく著者の心の動きは、お子さんの非行に悩む親御さんにも参考になるのではないでしょうか。(中山寒稀)
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